環境問題に対して人々の関心が高まる中で、建築分野においても環境に配慮して資源やエネルギーを大切にする持続性の高い対策が求められています。そうした中で、国土交通省の指導の下に建築物を環境性能で評価し格付けするシステムとして開発されたのが、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)です。
このシステムの評価対象は(1)エネルギー消費(2)資源循環(3)地域環境(4)室内環境の4分野です。これらの評価項目を整理し、「建築物の環境品質・性能(Q:Quality)」を分子側、「建築物の環境負荷(L:Loadings)」を分母側として割り算で算出された指標「環境性能効率(BEE:Building Environmental Efficiency)」にて評価します。
BEEによるランキングでは、「Sランク(素晴らしい)」から、「Aランク(大変良い)」「B+ランク(良い)」「B-ランク(やや劣る)」「Cランク(劣る)」という5段階の格付けが与えられます。
CASBEEは建築物のライフサイクルに対応して、「CASBEE-企画」「CASBEE-新築」「CASBEE-既存」「CASBEE-改修」の4つの評価ツールにより構成され、デザインプロセスにおける各段階で活用されることを想定しています。これらの4つの基本ツールおよび「CASBEE-HI(ヒートアイランド)」「CASBEE-まちづくり」「CASBEE-すまい(戸建)」など、個別目的への拡張ツールを総称して、「CASBEEファミリー」と呼ばれています。
|