約-160℃の低温で海外からタンカーで運ばれてくるLNG(液化天然ガス)は、そのままでは燃料として利用できないため、外部から熱を加えてガス化されます。逆にいうと外部から熱を吸収して気化するため、冷媒として他の物質を低温に冷やすことができます。
発電以外の主な用途としては、空気を冷やして液体酸素や液体窒素を製造する「空気液化分離」をはじめ、気体の液体化に利用されています。また、他の工場で発生した二酸化炭素を冷却してドライアイスを製造することで、CO2削減にも役立てられている例もあります。
さらに、LNG冷熱で製造された液体窒素を利用して食品やプラスチック、廃棄物等の低温粉砕や、冷凍食品や凍結乾燥食品の製造等をはじめとした、間接的な分野でも利用されています。
LNG冷熱は非常に有用であるにも関わらずしかしこうした有効活用は実際にはごく一部で、ほとんどは海水を熱源として気化して、その際に発生する冷熱はそのまま捨てられています。そこで、これから新たな冷熱利用技術の確立が求められています。
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