P R

HOME>【生態系】>完全養殖

PR
【関連サイト】

名古屋市内で
環境ECOワードを体験



 2010年3月に中東のカタールで開催されたワシントン条約のCOP15(第15回締約国会議)にて、「大西洋のクロマグロの国際的な取引を一時的に禁止すべき」とする提案が否決されました。
 このニュースに関連して、COP15開催前から世界で初めて近畿大水産研究所が実用化に成功したクロマグロの完全養殖がニュースなどで注目されていました。
 また、2010年4月には独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所が世界で初めてウナギの完全養殖に成功したというニュースが話題となりました。
 天然資源の枯渇が問題となっている中で、これまでにも養殖や蓄養が行われていましたが、これらは天然の稚魚を捕獲して、それを人工飼育する方法でした。この場合、天然の稚魚は捕獲量が不安定な上に、天然資源の保護や生態系バランスへの影響からも好ましくないとされていました。
 そこで、こうした天然資源保護の問題点を解決しながら、生産量も安定させることができる完全養殖が、最近特に注目されるようになりました。

クロマグロ ウナギ

参考資料:大西洋クロマグロの国際取引禁止提案が否決|マグロについて|WWFジャパン 
参考資料:OPRF海洋政策研究財団人と海洋の共生をめざして ニューズレター142号 ウナギ人工種苗生産技術の開発 

 完全養殖の最も大きなメリットは、卵や稚魚等の捕獲が不要のため、天然資源を減らさずにすむ、環境に優しい養殖技術ということです。
 卵の段階からふ化、稚魚、成魚、産卵まで全ての成育段階を人工環境下で管理できるので、計画的な生産・収穫ができ、安定した量の供給が可能になります。また、人工飼育によりどんな環境でどんな餌を食べて育ったか等の生産履歴を全て把握することができるので、生産履歴を後から知るためのトレーサビリティの面でもメリットがあります。
 さらに、国内の施設で完全養殖が行われると、結果的に海外からの食料輸入に頼る割合を減らすことができ、日本の食料自給率向上にもつながることも考えられます。

参考資料:近畿大学水産研究所|クロマグロなどの魚の養殖、種苗生産、品種改良 
参考資料:農林水産技術会議/広域回遊魚類(ウナギ・マグロ)の完全養殖技術開発 


次のECOワード >「バイオミミクリー」

Copyright(C)2010 adscoop Kids-Kankyou-Ecoword. All Rights Reserved.